［おうちで透析　インタビュー　介護が必要になったらどうすれば良いの？⑤］

• 在宅医療特化型運営コンサルタント　社会福祉士　横森 美和 様

聞き手：

• 医療コンサルタント　大西 大輔（MICTコンサルティング株式会社 代表取締役）

大西: 地域包括支援センター以外にも何か相談する先はあるのでしょうか。

横森さん: もう一つご紹介します。もう一つは、こう書くとあまり聞いたことがある人がいないのではないかと思いますが、居宅介護支援事業所、です。

大西: 早口言葉みたいですね。

横森さん: 漢字ばっかりですね。ちなみに介護の話は、結構似たような単語で「介護」が付いていたり、「ケア」が付いていたり、「プラン」が付いていたりします。

大西: 「居宅」というのも独特ですよね。

横森さん: そうですね。居宅介護支援事業所という、正式名称を今載せています。

大西: 通常は何て言われるのでしょうか？

横森さん: 「居宅」とだけ言ったり、あとは一般の方が言う時は「ケアマネさんがいるところ」などと言ったりします。ケアマネさんは、ケアマネージャーさんのことですね。

大西: ケアマネ事業所にすれば良かったですね。

横森さん: ケアマネージャーさんの事業主体も、例えばケアプラン〇〇など、名称はいろいろありますからね。

大西: ケアマネージャーの仕事であるケアプランを作る場所、ということでしょうか。

横森さん: そうですね。では、ケアプランは何か、という話になります。

介護保険サービスを利用したいと思った時に、例えば要支援1の場合、使えるサービスの量が少ないので、ではこの使える量の少ない所で、例えば訪問介護を週に何回入れようかとか、デイサービスに何回行かせようかとか、そういうことを考えなければなりません。

今は法律上は「自分で（プランを）作る」ということも認められてはいるのですが、なかなか自分でそれを組み合わせて作るというのは難しいので、一般的には外部の方に相談することになります。

どのぐらいどういったサービスを入れていくかを考えたり、そのサービスの事業者と交渉してくれたり、この方は月曜日はデイサービス行くのでよろしくね、などと調整してくれたりするのが、ケアマネージャーさんという方です。

介護保険サービス全体の相談にも乗ってくれるし、サービス自体のプランも立ててくれて、マネジメントをしてくれる方々です。

大西: では、この人に頼めばその後も長いお付き合いができる、ということですかね。

横森さん: そうですね。要介護度が決まった後、使いたいサービスについて相談に乗ってくれて、ケアプランを立ててくれる、というのがケアマネージャーさんの仕事ですので、最初からケアマネージャーさんに相談をしておくというのも手としてはあります。

大西: しかし落とし穴もあるのでしょうか。

横森さん: 落とし穴というわけではないのですが、ケアマネージャーさんは、例えば株式会社などの普通の会社に所属しているわけです。

大西: 仕事ですよね。

横森さん: はい、仕事ですので、注意点としては、ケアプランを立てる際には契約をする必要があるという点です。

大西: お試しプランなどは無いのですね。

横森さん: そうですね。お試しプランなどは無いですね。ですから、相性なども勿論大事なのですが、「この方はもしかしたら自立になってしまうかもしれない」とか、「この方は要支援で軽くなりそう」という人が相談に来られた時には…

大西: 仕事にならない。

横森さん: はい。ですので「ちょっと受けていないです」と断られたり、包括支援センターを紹介してくれたりするケースなどもあります。

「この人は本当に重たいな、私が最初から面倒見ようかな」と思えるような方であれば、初めから相談に乗って、ケアプランも作って、契約も進めて、ということもあります。ですので、本当に重たい状態かなという場合には、最初からケアマネージャーさんに相談しておいて、申請代行もしてもらって、介護度が出たらそのケアマネージャーさんにプランを立ててもらって、とできると全部の流れがスムーズですよね。

大西: では、自分のレベルによってケアマネージャーさんに相談した方がいいのか、地域包括さんに相談した方がいいのかは決まるけど、まずはケアマネージャーに相談すると良さそうですね。

横森さん: 少し重たかったらそうですが、地域包括支援センターというのが一応行政からの委託機関なので（一部直営もありますが）、そちらのほうが良いかと思います。

大西: 国のストーリーとして地域包括に相談した方が良い。

横森さん: そうですね。よほど仲の良い知り合いでケアマネをしている人などがいる場合などは、そこから始めてしまってもいいと思います。

大西: いそうですよね、「私ケアマネやってるから、相談乗るよ」などというお姉様方が。

横森さん: 例えば、お隣さんなどがケアマネージャーさんも使っていて、介護保険も使っていて、「あそこのケアマネージャーさん、良いのよ」などと言われたら、まず相談に行ってみても良いかもしれません。