楠本先生インタビュー⑤フルアシストPDで地域の課題を解消

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楠本先生インタビュー⑤フルアシストPDで地域の課題を解消

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楠本先生インタビュー⑤フルアシストPDで地域の課題を解消

[楠本先生インタビュー⑤フルアシストPDで地域の課題を解消]

  • 楠本内科医院(福岡県水巻町) 院長 楠本 拓生 様

聞き手:

  • 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)
  • 医療法人明洋会 理事長 柴垣 圭吾 様

大西: では逆に、腹膜透析のデメリットにはどのような点がありますか。

楠本先生: 一番の課題は、「高齢者に腹膜透析が良い」と考えて導入した後の最終的な受け皿です。

つまり、患者さんが自分で管理できなくなった時や、在宅での生活が難しくなった時に、地域によっては対応できる体制が十分に整っていないことです。

腹膜透析を積極的に行っている地域であれば受け皿がありますが、そうでない地域では、そもそも選択肢として腹膜透析の情報すら提供されていないことが多いのが現状です。

「腹膜透析は自己管理ができないと無理」という認識が広くありますが、これは大きな誤解だと考えています。

私たちはアシストPDは十分可能だと考えています。特にフルアシストPDでは、80代後半から90代の患者さんについては、訪問看護が朝夕2回入り、1日2回のバッグ交換まで行うと決めています。

そうすれば、完全に「お任せPD」が可能になります。血液透析に「お任せHD」があるのと同じように、「お任せPD」ができるのです。

このことをきちんと説明すると、「手技は全く覚えなくていいですよ」と最初から伝えられるので、「それならPDのほうがいい」と多くの方が選択されます。実際、私が説明すると、ほとんどの患者さんがそうなります。

大西: 「お任せPD」、いいですね。

楠本先生: その結果、当院で療法選択を行った直近3年ほどのデータでは、腹膜透析の選択率が56%、CKM(保存的腎臓療法)と腎移植が合わせて約16%、血液透析は10%強という割合になっています。

大西: 日本全体の比率とは、かなり違いますね。

楠本先生: 全く違います。

柴垣先生: 訪問看護は特別指示を出すと月に2週間までですよね。残りの2週間はどのように対応されているのですか。

楠本先生: 私が一番勧めているのは、介護保険を一度返納し、医療保険で訪問看護を利用する方法です。もともと介護サービスで使っていた部分については、自費で補うという形を取っています。

柴垣先生: 障害制度を使って、ヘルパーさんに入ってもらうようなケースはありますか。

楠本先生: それは、今のところ当院ではまだ経験がありません。

大西: 鹿児島の松本先生も、「介護保険優先だとやりにくいので、医療保険を優先している」とおっしゃっていましたね。

楠本先生: そうですね。要介護1や要支援レベルの方については、いったん介護保険を返納する前提で、PD導入に合わせたプランを組みます。

その後、ADLが低下して施設入所が必要になり、要介護3程度になった段階で改めて介護保険を申請してもらいます。

施設入所後は、状況に応じて特別指示を出し、「介護3以上の介護保険+特別指示」で、施設内でPD対応してもらうようお願いしています。

柴垣先生: 施設に入所した場合、PDは施設の看護師さんが行うのですか。それとも外部の訪問看護ですか。

楠本先生: 一番多いのは、施設に併設された訪問看護です。外部の訪問看護が入ると、施設側の点数が下がってしまうため、施設内の枠組みの中で、サービスとして対応してもらうようお願いしています。

大西: 将来的には、介護職の方がバッグ交換までできるようになるといいですね。

楠本先生: それは本当にありがたいですね。

大西: そうすれば、わざわざ訪問看護ステーションに依頼しなくても済みますし。

楠本先生: 例えば、別表7に入れて医療保険と介護保険を併用できるようにすることや、「真皮を超える褥瘡」のように、高齢者PDを特別指示が28日間使える枠組みに位置づけることができれば、圧倒的に運用しやすくなると思います。

大西: 医療と介護の狭間にある医療だからこそ、制度のルールによって自分たちで首を絞めている部分もありますよね。

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