セカンドSDM③SDMとインフォームドコンセントについて
セカンドSDM③SDMとインフォームドコンセントについて
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セカンドSDM③SDMとインフォームドコンセントについて
[おうちで透析 インタビュー セカンドSDMとは③]
- 医療法人明洋会 理事長 柴垣 圭吾 様
聞き手:
- 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)
大西: SDM(Shared Decision Making:共有意思決定支援)という言葉が医療の現場で盛んに使われるようになってきました。それに対して、もともとインフォームドコンセントという言葉があったと思うのですが、大きな違いはどこにあるのでしょうか。
柴垣先生: インフォームドコンセントというのは、どちらかと言うと医者から患者様側への一方的な情報提供だったかと思います。今回のこの患者様は、こういった病気で、こういった治療の選択肢があるという中で、こういった治療をメインで進めていこうと、上手くいく確率は何割みたいな形でした。医者の一方通行の説明で、患者様がそのお話を聞くと言うことがメインだったのです。
ところが、患者様全体が高齢化するに従い、治すだけが医療側の使命ではなくなってきています。例えば癌の手術にしてもそうです。手術をすれば患者様は幸せなのか、場合によっては手術しない方が最後の人生の終末期を穏やかに迎えられる可能性もあるわけです。
そのように患者様が高齢化することで、しゃかりきに治療をすればいいというものでもなくなってきています。そのような中で、治療の方法を掲示して選択していただくということに関して、患者様とそのご家族様も一緒に考えていただくという流れに変わってきていることがインフォームドコンセントからSDMへの流れかと思います。
大西: その背景には、様々な選択肢があって、その中でチーム医療の中に患者が組み込まれたように、みんなで考えてみんなで前向きに進めていきましょう、という考えや、あるいはその背景に医療費の問題もあるのかもしれないのですが、何でもかんでも治療していっても、それが患者が求めている医療ではない、そういうミスマッチを抑えたい、という背景もあるのでしょうか。
柴垣先生: ただ治療をすればいいという問題では無くなってきているということが大きいかと思います。国からすると病院というのはかなりコストが高いので、今後は家で入院費がかからないような環境で治療ができるのであれば、そうして頂きたい、というのが国の考え方かと思います。