宮崎先生インタビュー⑥家でもできる透析という選択肢(腹膜透析)

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宮崎先生インタビュー⑥家でもできる透析という選択肢(腹膜透析)

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宮崎先生インタビュー⑥家でもできる透析という選択肢(腹膜透析)

[宮崎先生インタビュー⑥家でもできる透析という選択肢(腹膜透析)]

  • 宮崎内科医院(長崎市) 院長 宮崎 正信 様

聞き手:

  • 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)
  • 医療法人明洋会 理事長 柴垣 圭吾 様

大西: さきほど宮崎先生から「成功体験を多くのドクターが積んでいない」というお話がありました。要は腹膜透析(PD)がどのようなものか知らない方が多いということかと思います。

腹膜透析(PD)によって笑顔になるとか、すごく元気にされていて、旅行に行っている方や温泉に行かれている方がいるとか、様々な方がいらっしゃるにも関わらず、それが伝わらないのは、やはり例が少ないからなのでしょうね。

この点は私も柴垣先生もすごく気にしています。例えば、腹膜透析(PD)を行っている患者さんをマスコミにクローズアップしてもらうなど、マスメディアも上手に使って、認知度を上げる必要があるかなと思っています。

また、厚労省の診療報酬改定に関しては、2024年は医療と介護と障害のトリプル改定なので、整理整頓する良いチャンスだなという感じがします。

こういうタイミングで医療現場からきっちりとメッセージを出していく、ということも大切かと思います。

痰の吸引をヘルパーができるようになるまで、制度変更にすごく時間がかかりましたが、例えば、バッグ交換をヘルパーができるようにするなど、働きかけ続ける必要があるのかなと思います。

柴垣先生からこうやったら腹膜透析(PD)が普及するのではないかという意見がありましたらお願いします。

柴垣先生: 最期の段階で腹膜透析を導入することによって、患者さんが死ぬまで入院透析になってしまうことなく、最期まで家にいられるという選択肢があることを、病院の先生方にも知っていただいた方が良いのではないかと思います。

今まで病院の先生方は、血液透析と腹膜透析の選択をする場合、元気な人が対象だったかと思います。

元気な人に対して血液透析、腹膜透析の選択肢を示し選んでもらうのは今まで通りで全然良いと思いますが、透析患者さんの終末期に最後まで家にいられる腹膜透析を提示するということも国の国策であるということを意識していただき、選択肢として患者様に提示していただければと思っております。

それからその受け手として我々開業医もそれを受ける体制作りをしていかないといけないと思っています。

更にはケアマネージャーさんや訪問看護師さんのような地域の多職種の方々にも、国の方策として腹膜透析というものが推奨されてきているということを認識していただいて、受け入れの準備をしていただきたいと思います。

その際には宮崎先生がおっしゃっていたように、透析液の交換を医療行為ではなく、あるいは医療行為のままでもいいのかもしれませんが、痰の吸引と同じようにヘルパーさんでもできるようにする、ということは一つ大きな腹膜透析普及のきっかけになるのではないかと思います。

大西: 今日は先生方に色々とお答えいただきましてありがとうございました。

最後に重要なポイントをまとめます。腹膜透析(PD)を行う中で、診療報酬のこともそうだし、世の中の認知の問題もそうだし、先生方の問題、色々な問題があるかと思います。

しかし、これから2040年に向けて高齢化が進む中で、どうすれば幸せに老後を過ごせるか、そしてどのように死という問題に向き合っていくのか、ということの一つの選択肢として、腹膜透析(PD)がもっと普及できればいいなと感じました。

そのためには、やはり仲間をたくさん募ることがすごく大事だと思い、今日はインタビューさせていただきました。

宮崎先生、今日はありがとうございました。

この輪をもっと広げたいのでどなたかご紹介いただきたいのですが、宮崎先生いかがでしょうか?

宮崎先生: そうですね。腹膜透析(PD)の普及に向けて色々と勉強会をやっているのですが、一緒に熱く燃える男として京都の正木先生はどうかなと思い、紹介させていただきます。

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