正木先生インタビュー⑤腹膜透析の普及に向けた国の政策について

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正木先生インタビュー⑤腹膜透析の普及に向けた国の政策について

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正木先生インタビュー⑤腹膜透析の普及に向けた国の政策について

[正木先生インタビュー⑤腹膜透析の普及に向けた国の政策について]

  • 正木医院(京都市) 医師 正木 浩哉 様

聞き手:

  • 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)
  • 医療法人明洋会 理事長 柴垣 圭吾 様

大西: 訪問看護ステーションの立場から言うと、手間のかかることに対して手厚い点数、報酬が欲しいと思うのですが、数が少ないものに対しては、厚生労働省が評価を先延ばしするというか、なかなか踏み出さないという傾向があります。

ただ、前回の診療報酬改定から腹膜透析を何とか普及したいとか、選択できるような腎代替療法を進めましょうという傾向は見えています。

今回、医療と介護のダブル改定なので、まさに今次の改定をちょっと期待はできます。先生はどうお考えですか。

正木先生: ある意味、2回前の改定からガラッと国の透析に対する方向性が変わっています。

大西さんが指摘されているように、世界と比べて非常に低い3%という腹膜透析の普及率はやはりおかしいと国は思い出しています。

その背景には、医療費の問題があります。先ほど申しましたように、血液透析の患者さんがどんどん高齢化して通院できなくなってきていて、結果として、施設入所する、療養型の病院に長期入院する、ということで医療費を圧迫しています。

これを解決しないといけないというバックグラウンドもあり、腹膜透析あるいは療法選択をきちんとするということに対して手厚い制度になってきています。そして、その結果として腹膜透析の増加に結びつきます。

そのような行為に対して、制度としてかなりしっかりとした点数がつくようになってきています。そのようなこともあり、今の国の施策は、方針としては、少なくとも今よりも腹膜透析が増えるような方向性を示している、ということを感じます。

大西: 続きでお聞きしますが、腹膜透析の普及率が例えば外国並みの10%まで引き上がるとしたら、どのような施策なり方法があるのでしょうか。

正木先生: 10%に引き上げるためには、これはもう明らかに国の政策誘導しかないと思っています。

しっかりと腹膜透析に対する点数をつけることです。いろいろな訪問看護や、実施料や管理料に対して、点数をしっかりとつけることです。さらに言うと血液透析の点数を下げてでも、その分腹膜透析に点数をつけるということも必要かもしれません。

そのような政策的誘導がない限り、それほど劇的に増えないと私は思っています。

一部のやる気のある人が頑張って行ったとしても、1%や2%は増えるかもしれませんが、10%まで増やそうと思うと、やはり国がそのような政策的な誘導をすることが必須だと思っています。

世界を見ていても、腹膜透析が多い国は明らかに国が腹膜透析をするように誘導していますので、そのようなことが必要なのではないかと、私は思っています。

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