介護が必要になったら④介護の申請は大変?地域包括支援センターへの相談の仕方
介護が必要になったら④介護の申請は大変?地域包括支援センターへの相談の仕方
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介護が必要になったら④介護の申請は大変?地域包括支援センターへの相談の仕方
[おうちで透析 インタビュー 介護が必要になったらどうすれば良いの?④]
- 在宅医療特化型運営コンサルタント 社会福祉士 横森 美和 様
聞き手:
- 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)
横森さん: 要介護認定の申請書は素人が書くとなると少し大変な部分もあります。また、そもそも「本人が申請しなきゃ駄目なの?」と、よく質問を受けるのですが、体が不自由でなかなか役所に行くのも難しい人の場合など(役所まで遠いなど)、本人が申請するのが難しい場合もあります。
大西: 体が不自由だから申請するわけですよね。
横森さん: そうですね。また、認知症の初期症状の方がその書類を書けるのか、などの問題もあります。元気な人でも、かなり高齢になってから申請するとなると、老眼で申請書の文字が小さすぎて読めないなどの問題もあります。私の母など「もう見えない」と言っています。
大西: いや、私ももうだいぶ見えないです。
横森さん: そのようなこともあり、初めての手続きは大変、ということは言えると思います。
大西: どうすれば良いのでしょうか。
横森さん: 申請をしようと思う前段階など、検討する段階から相談できるところもありますので、ぜひ事前に相談をしてもらえれば良いかな、ということは一つ言えます。
大西: また出てきましたね、相談。
横森さん: 「一人で抱え込まない」ということが、介護では一番大事になります。よく「一人で抱え込まないで」と口では言えるけど、なかなか相談に行く勇気がないのと、誰に相談していいのかがそもそも分からない、ということもあり、抱え込んでしまう方が多くいらっしゃるように思います。
私個人の失敗から話すと、知っている家族や親族、または親族で介護している人などで「私経験があるから」みたいなおばさんとかおじさんに聞いたりすると、聞きかじった情報だけをみんなからもらうことになり、実際は正しくなかったりするケースもありました。
友達の友達や、おじさんやおばさんさんなど、専門家ではない人に相談しがちですが、そうすると、確かに一人では抱え込んでいないのですが、正しい情報ではなかったりするので注意が必要です。
大西: たらい回しにされてしまう可能性があるということでしょうか。
横森さん: そのようなこともありますね。そこで、正しく相談に乗ってもらえて、正しい情報を教えてくれるところをいくつかご紹介したいなと思います。
大西: 是非お願いします。
横森さん: これをご紹介すると、一個すごいメリットがあるんですよ。
大西: 何ですか?
横森さん: さきほど申請書を書くのが面倒くさいとか、大変というお話をしたと思います。れからご紹介するところでは、相談の上、その申請書類の準備も含めて申請自体を代行してもらうことができます。
相談先が「この方は困っているな」「この方は要介護認定がおりそうだな」と判断した時に、要介護認定のための申請を代行してもらえますので、サインするだけなどで手続きができて非常に楽なのです。
大西: いいですね。
横森さん: ですので、是非これからご紹介することを、2点3点ですが、参考にしていただけたらなと思います。
大西: そうですよね、車を買う時も代行してもらっているし、家を買う時も代行してもらっていますしね。
横森さん: そうですね。
大西: 自分で会社を始めるときも法人設立は代行してもらうのに、どうして要介護認定の申請だけ自分でやろうとするんでしょうかね。
横森さん: そうですよね。車もディーラーさんがやってくれますからね。
大西: 車庫証明も取ってくれるし、運輸局への届出もしてくれる。
横森さん: そうですよね。
大西: 代行すれば良いのに、知られていないんですね。
横森さん: まず一つ目は、地域包括支援センターというところですね。
大西: ほとんどの人は聞いたことないかと思いますね。
横森さん: そうですか。皆さんのお住まいの地域に必ず一か所はあるんですよ、地域包括支援センターは。ここは何をする所かと言うと、主に高齢の方の相談に乗ってくれる場所です。
大西: 地域によって名前が少し違いますよね。
横森さん: そうですね。たとえば、安心健やかセンターなどだったりします。
大西: それから、ケアプラザなどもありますね。
横森さん: はい。何とかセンターという名前が多いです。
大西: 大抵はその横に地域包括支援センターと書いてありますね。
横森さん: はい。
大西: みんな前しか読んでいないでしょうね。
横森さん: 「主に高齢の方の相談に乗ってくれる」という点については、すごく大まかな話になりますが、例えば、高齢者虐待とかそういったヘビーな話から、ちょっと介護ではないのだけれど介護手前だから体操しようとか、そういう健康に関することも含まれます。
健康作りも含めて、様々な支援をしているのがこの地域包括支援センターというところになります。
大西: では、もし自分の親が「介護が必要なのではないか?」と思った場合、地域包括支援センターを調べて電話してみたらいいですね。
横森さん: そうです。この地域包括支援センターは大体中学校区ぐらいに一か所ありますので、例えば、駅前にある地域包括支援センターに行っても自分のエリアではないことがあります。ですから、自分の住まいを、というか親の住まいを担当している地域包括支援センターはどこなんだ、という形でまずは管轄地域を探す必要があります。
大西: かなり単位が狭いのですね。
横森さん: はい。もちろん役所に行けば教えてもらえますが、おそらくYouTubeを見ていらっしゃる方はインターネットの方がお得意かと思うので、インターネットで例えば「〇〇市 地域包括支援センター」と検索すると、その市の地域包括支援センターのページが出てきて、「〇〇町は〇〇支援センターです」などの情報が出てきます。
大西: なるほど。
横森さん: 例えば「目黒区 地域包括支援センター」と検索すると、このような感じで「地域包括支援センター目黒区公式ホームページ」などというのが出てきて、ここをクリックすると目黒区にある地域包括支援センターが全部出てきます。
その中で例えば北部包括支援センターというのがあるのですが、北部包括支援センターというのをずっとスクロールしていくと、担当地域が出てきます。ここが北部包括支援センターの管轄ですよ、という形で分かるので、介護を受けたい方のお住まいの地域の地域包括支援センターを探して、そこに電話をかけて相談するようにしてもらうと良いかなと思います。
大西: これは良いですね。