セカンドSDM④地域包括ケアにおける透析医療
セカンドSDM④地域包括ケアにおける透析医療
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セカンドSDM④地域包括ケアにおける透析医療
[おうちで透析 インタビュー セカンドSDMとは④]
- 医療法人明洋会 理事長 柴垣 圭吾 様
聞き手:
- 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)
柴垣先生: なかなか難しい問題ではありますけれども、国からすると病院はかなりコストが高いので、今後は入院費が掛からないような環境で、家で治療ができるのであれば、そうして頂きたいというのが国の考え方かと思います。
大西: 我が国における時代背景についてお話しいただきました。次に柴垣医院として、これまで地域包括ケアにおける透析医療というテーマに対してどのように取り組んできたか、少しご紹介ください。
柴垣先生: 昔は透析患者様は皆さんかなり若い方が多い状況でした。そのため、我々は週3回透析の間だけ治療をさせていただくことで全て完結していました。けれども、次第に透析患者様が高齢になっていって、週3回のお付き合いだけでは正直済まなくなってきているということがあります。
例えば、今までは患者様が何か(病気や怪我など)問題があって病院に入院された後も、患者様は病気さえ治れば何事もなかったようにまた透析クリニックに通っていただけるというような状況でした。
ところが、高齢の患者様が入院されると、元の通り戻らない場合もあります。それは退院の頃には足腰がもう立たなくなっているといったことであったり、ぐっと認知機能が衰えて、認知症のひどい状態になっている場合もあります。
そのような場合、退院すればまた元通りの生活ができるということはなく、介護面での指揮を取るケアマネージャーと我々医療側が話し合いをして、医療的な治療だけではなく、家での生活面・介護面をどう支えていくかということを話し合わないと退院もできない状況になってきます。このような状況が地域包括ケアを進めなければいけない背景にもなっているかと思います。
大西: それで先生は血液透析にプラスして、在宅医療も取り組もう、と決断されたわけですね。
柴垣先生: はい。そのとおりです。週3回のお付き合いだけでは済まなくなって、何かあったときにクリニック側から自宅の方に行って、介入せざるを得ないというようなことがありまして、訪問診療を始めるという経緯にもなっています。
大西: 患者のライフステージによって血液透析が最適なケースもあるし、腹膜透析に移行するケースもあるし、透析生活20年間をトータルでサポートしていきたいという思いですね。
柴垣先生: そうですね。
透析が始まる前の慢性腎臓病の「保存期」に、病院への通院が困難になる方はたくさんいらっしゃる状況になっておりますので、そういった方々にも我々が訪問して透析前の治療をさせていただいています。そして、透析になっても治療させていただきます。さらに最後の終末期まで我々の方で介護の方と一緒になって支えていく、といったことが必要と思いこういった地域包括ケアに則った訪問診療を始めたわけです。