医療DX③医療DXと規制緩和!クリニック・病院が生き残る道とは

透析に通うのがツライと思ったら
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医療DX③医療DXと規制緩和!クリニック・病院が生き残る道とは

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医療DX③医療DXと規制緩和!クリニック・病院が生き残る道とは

[おうちで透析 インタビュー 医療DX③]

  • 医療法人明洋会 理事長 柴垣 圭吾 様
  • 医療法人明洋会 IT担当 臨床工学部 統括部長 市川 匠 様

聞き手:

  • 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)

大西: 今回透析の動画を撮りました。今すでに4000回(動画収録当時の再生回数、記事公開時点では2.1万回)再生されています。あれが当たっている理由は、すごくメッセージが分かりやすかったのだと思います。

「あなたは血液透析と腹膜透析のどちらをやりますか、選べるのはあなたです」というメッセージだったので、スッと入ったのではないでしょうか。

これは医療も同じです。「ITを進めてDXを進めると、こんな未来があります。一方で進めないとこんな未来があります。あなたはどちらを選びますか?」というメッセージを発信できれば、視聴者はハッと気付くのではないかと思います。

さきほど市川さんがおっしゃったように、説明不足に尽きると思っています。私たちコンサルタントの問題でもあるかと思います。

さて、今、国がオンライン診療を進め中、噂によるとアマゾンが薬局の世界に入ってきて、オンライン薬局を始める、などという動きがあります。このように規制緩和によって新しい勢力が入ってくることに対して、柴垣先生はどう考えていらっしゃいますか?

柴垣先生: 医療関係者としては怖いところもありますが、ではこの流れに抗えるのか、と言ったらそれは無理だと思います。他のどのような業界を見ても、そこに抗うという術は、その中でどうポジショニングするかというだけの話であり、そういった大きな流れに抗うのはなかなか難しいだろうなと思います。

市川さん: アマゾン薬局の話が出て、私もつい最近インターネットで検索して、アマゾン薬局があるビルを見てみました。そうすると、私達の診療所が入っているビルと大して変わらないところに、薬剤師が100人くらいいて、医薬品が置いてありました。

対面でも売れる、ということが条件になっていますので、どう考えても店舗がないだろというところに、薬剤師を雇って医薬品を置いてそこから配送するという仕組みを作ったみたいです。

それを見た時に感じたことは、アマゾンの是非は置いておくとして、正直なところ法的にはクリアしているのかもしれないけれど、取って付けたような形態だな、ということです。

これを許すのであれば、もう一斉にそういう方向に舵を切ってやった方が良いのではないかとも思いました。

グレーなものをグレーのままやらせるくらいでしたら、大鉈振るって仕組みをもっと早く変えて、しっかりと安全に皆さんに薬を供給できる仕組みを作ったら、ひょっとしたらとても革命的なことなのかなと思いました。

医療品ではないですが、この間、波照間島の人たちが、「アマゾンができて好きな望むものが手に入るようになった」と言っていました。

それまでは配送してくださいなどと言うと、「離島料金もらいます」、「配送はできません」などと言われていたものが、アマゾンが日本中どこにでも配るようになったお陰で、多少時間はかかっても何でも届くようになったということです。

波照間島の人たちは「アマゾンすごい」と言っていましたね。

医療も同じことで、多分アマゾン薬局がとんでもなく山の中であっても届けてくれるということになれば、それによって助かる人たちはたくさん出てくるはずです。

外から来る黒船みたいで悪いとか、既得権益を守らなければならない、というようなことも分かるのですが、一方で何が本当に日本人にとって役に立つのか、ということもやはり考えて仕組みを作っていってくれれば、皆が幸せになる世界を夢見られるのではないかと考えています。

大西: 在宅医療についても、最初の頃は「外来機能がないと在宅医療を始めてはいけない」というルールがありました。それと同じで、時間とともに規制というのは緩和されていくと思います。

そのような中で市川さんが考えているようなメリット・デメリットということを冷静に考えると、規制緩和によってマーケットは拡大しますし、プレイヤーが良くなると当然質が良くなるので、私は医療の質が上がると思っています。

その時にクリニック・病院たちが何を大事にするかと言うと、やはりサービスだと思います。医療サービスのレベルを上げない限り、クリニック・病院はやっていけない時代が来るのではないかと感じています。

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