正木先生インタビュー①腹膜透析との出会い〜治療の選択〜

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正木先生インタビュー①腹膜透析との出会い〜治療の選択〜

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正木先生インタビュー①腹膜透析との出会い〜治療の選択〜

[正木先生インタビュー①腹膜透析との出会い〜治療の選択〜]

  • 正木医院(京都市) 医師 正木 浩哉 様

聞き手:

  • 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)
  • 医療法人明洋会 理事長 柴垣 圭吾 様

大西: 京都で開業されている正木医院の正木先生をお招きしてお話を伺います。また、オブザーバーで、柴垣先生に参加いただいています。

前回、宮崎先生とお話をしまして、特に腹膜透析にかける思いをお聞きました。その中で宮崎先生から、次は正木先生に話してもらってくださいと、熱烈なラブコールをいただきまして本日のお願いとなっています。

まずは先生のクリニックの紹介からお願いします。

正木先生: 私個人は、昭和61年に関西医科大学を卒業し、その後内科に入局しました。循環器、腎臓、代謝、内分泌の内科でした。そこで、腎臓と内分泌をメジャーとしてずっとやっていました。

その後、アメリカに約3年間留学しまして、アメリカでは細胞の再生とかあるいはイオンチャンネルの基礎を研究していました。

それからまた関西医科大学へ戻ってきて、そこからはずっと臨床と教育と研究ということを長らくやっていました。

透析もその間やってきていまして、今から6年前に大学を辞めまして、京都で祖父の代からやっている内科と小児科の診療所に、今も母と一緒に勤務しているという形になっています。

正木医院は、京都市の上京区にあります。天満宮の総本社の北野天満宮の鳥居のすぐ前というか横にクリニックがあります。祖父が昭和の初めに開業して、その後、母が継いで、今私が一緒にやっています。

本当に町の診療所で、医師は私と母の2人、常勤の看護師が2人、非常勤の看護師が1人、事務員が1人という体制でやっています。

内科と小児科の一般診療と訪問診療も行っています。訪問診療は、腹膜透析の患者さんを中心にやっています。透析については血液透析はやっていなく、腹膜透析の外来診療をやっています。

大西: 早速ですが、先生の腹膜透析(PD)との出会いについてお話を伺えればと思います。

正木先生: 私は関西医科大学の腎臓透析室にずっと勤務していて、もう20年ぐらい前から腹膜透析というのには接していました。

最初は私ではない別の人が腹膜透析を主にやっていまして、私は血液透析をやっていました。正直な話、最初はあまり腹膜透析について熱心にやっていたわけではなくて、今から考えると、どちらかというと腹膜透析について消極的な立場だったと思います。

ところが、2007〜2008年くらいの時に、全腎協(全国腎臓病協議会)の患者さんへのアンケートを見つけて、気持ちが変わりました。

それはどんなアンケートかというと、透析をされている患者さんに「あなたは透析を始める前に、腹膜透析の話を聞いたことがありますか」というアンケートでした。そこでほとんどの方が「聞いていない」と回答していたのです。

それを見て、これはよろしくないなと思いました。やはり患者さんにきちんと治療の選択をしていただかないといけないなと思いました。

それをしていただくのが我々の義務だと思いまして、ある意味それでショックを受けて、これはきちんと腹膜透析のことを自分ももう1回勉強し直してやらないといけない、と思い立ちました。

そのようなことで2007〜2008年ぐらいから一生懸命腹膜透析のことについて勉強を始め、診療もやり始めたということになります。それが私の腹膜透析の本当の出会いだと思っています。

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