在宅医療と医療機器の現状の問題―アシステッドPD・介助者による在宅腹膜透析―
~市川 匠 臨床工学部門長(医療法人社団明洋会 柴垣医院)インタビュー~

透析に通うのがツライと思ったら
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在宅医療と医療機器の現状の問題―アシステッドPD・介助者による在宅腹膜透析―
~市川 匠 臨床工学部門長(医療法人社団明洋会 柴垣医院)インタビュー~

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在宅医療と医療機器の現状の問題―アシステッドPD・介助者による在宅腹膜透析―
~市川 匠 臨床工学部門長(医療法人社団明洋会 柴垣医院)インタビュー~

在宅で機器管理ができないから「退院できなかった」というのはあると思います。臨床工学技士を代表して考えるならば、もっと在宅に積極的に出ていくために「遠隔監視」についてはどのように思われていますか?

「遠隔監視」も現実に一部の領域では始まっています。(今後、)この流れは加速度的に進んでいくと思います。先ほど、リソースといったのは決してお金だけの話ではなくマンパワーなども含めての話だと思っており、いわゆるICTの利活用というのは、もう待ったなしで進んでいくのではないかと考えています。

その上でやはり医療という業態の性質上、そこにある程度の安全性とシステムやサービスのサステナビリティということが重要となってくるので、その部分での負担というのも増えてくると思います。ですので、この負担感と現実的なメリットの塩梅を探りながら、近い将来のイメージとして、必要な部分に関してはある程度アクセルを踏み込んで考えていかなければいけないのではないかと考えています。

私どもの施設で行っている在宅の診療域においても、現時点で在宅での「遠隔監視」に力を入れているわけではないのですが、例えば医療の安全を担保する上で、治療開始前に必ずビデオ通話で開始の確認をするとか、終了の確認をできるようにするであるとか、機械のデータを取るということは技術的にはできますし、(実効性も)確認しています。

今後、在宅のHDや、アシステッドPD(介助者による在宅PD)、HHD(在宅血液透析)、またはそれ以外の医療機器に関しても、患者さんが治療されている間、診療施設側で様々なデータをリアルタイムで監視するということは充分に可能性があると考えています。

在宅の現場では、いつも患者の傍に人が居られるわけではありません。一方で、血液透析の現場では当然医療スタッフがスタンバイしています。在宅における不安感を、この「遠隔監視」の技術で除ければ良いと思います。そのためには、医療の現場で医療機器の専門家である臨床工学技士がフォローする体制の確立が必要ですね。

そうですね。在宅領域において、医療機器やそれ以外の治療そのものに関しての今後の課題は、機械がどんどん入ってきて操作(や管理)が難しくなっているということと、どうしても医療のスペシャリストが不在なので、運用上の安全が確認できない状況で行われているということがあると思います。

そうであれば、今までであれば患者さんご本人が操作して、「よくわかっていないけどいつもやっているから」とポチポチってやっていたところを、遠隔でフォローできるようにすべきだと思います。クリニック側でデータをリアルタイムで取れて、夜中の0時手前ぐらいまでは誰かがクリニックにいるので、クリニック側で監視をしていて「あ、なんかアラーム出ていますよ」とか「ちゃんと使えていますか?ちょっとスマホの動画で見せてください」なんて確認できれば、すぐ積極的な介入ができるわけです。

そういったところへの医療スタッフの関わりは、在宅医療が広がるにつれて必要性が増してくると思います。しかしながら、その対応を看護師さんやケアマネさんにお願いするのは、彼らの本質的な仕事ではないので、そこに関しては、臨床工学技士が担うべきであろうと思っています。

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