透析のお金②腹膜透析の費用事情〜自治体の助成(マル都・マル障)〜

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透析のお金②腹膜透析の費用事情〜自治体の助成(マル都・マル障)〜

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透析のお金②腹膜透析の費用事情〜自治体の助成(マル都・マル障)〜

[おうちで透析 インタビュー 透析のお金②]

  • 在宅医療特化型運営コンサルタント 社会福祉士 横森 美和 様

聞き手:

  • 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)

横森さん: マル長以外にも、さらに患者さんの負担軽減の仕組みがあります。それが各自治体の助成金という事になります。これは自治体ごとに設けられている助成で、自治体ごとに申請する事になります。今回は東京都の場合で考えてみましょう。

東京都の場合で、今回は二つご紹介したいと思います。まず一つは本当に透析そのものの助成ということで、「マル都」の医療券。東京都の都に丸印があるので通称マル都と呼んでいるものです。

大西: これ他の所は何と言うんですか?

横森さん: 何と言っているんでしょうね?

大西: 他は県ですもんね、マル県になっちゃいますね。

横森さん: ですよね。恐らく人工透析の医療費助成という形で伝えられているのかなと思います。

もう一つが心身障害者の医療費助成。これは障害に丸印で「マル障」と通称呼ばれています。

大西: これは聞いたことがありますね。

横森さん: これは他県でもマル障と呼んでいるのを聞いたことがありますね。

この二点なのですが、まず一点目の人工透析に関する助成という所を見ていきましょう。この人工透析の医療費助成に関してですが、東京都にどういう助成があるかまとめてみました。住所地の区市町村の窓口で手続きができます。

必ずマル長と一緒に使用するのですが、医療機関にマル長とこの医療費助成のマル都を一緒に提示すると、マル長の1万円の上限分をマル都が助成してくれるものなんです。

大西: おお!1万円から1万円助成されたらゼロ円になりますね。

横森さん: そうなんです。2万円の人は1万円までになりますが、1万円負担の人はこれで1万円助成してくれるので、結果的に人工透析に関しては何も負担がない状態になります。そういう東京都の助成です。ただこれには助成対象外のものも若干あるので、そこは確認が必要です。

大西: これを確認する場合は市町村の窓口に確認すればいいですかね?

横森さん: はい、区市町村の窓口に確認をしていただくという事になります。

大西: 例えば今の話で言うと、上限額が1万円でそれに対してまた都の助成をするので、公費+医療費助成によってクリア、という事なんですかね。

横森さん: はい、透析医療で特定疾病受領書を使った時なのですが、もし透析の医療費がマル長で月1万円掛かる人は、そうなります。マル都で1万円の助成があるので、自己負担は結果的にゼロ円になります。透析の医療費がマル長で月2万円上限と言われている人に関しては、マル都で1万円助成があるので自己負担は1万円という事になるわけです。

大西: よく透析の方から医療費ゼロ円と漠然と伝わってきていたのですが、そういうサポートがあっての事だったんですね。

横森さん: そうなんです。ただこれもちゃんとマル長とマル都の医療券と、両方を医療機関に提示しないと使えないので、出し忘れをしない、元々は申請をし忘れない、という事が大事ですよね。

大西: ではちょっとおさらいです。まず最初に保険証を持っている事、そして 身体障害者手帳を申請する事、そして特定疾病療養受療証を申請する事、そして自治体の助成を受ける事。

横森さん: はい、で、自治体の助成の一つ目が、そのマル都の医療券、という話になるわけです。

大西: では、二番目を教えてもらっていいですか?

横森さん: その前にマル都の医療券はこんな感じになります(動画参照)。マル都の医療券は82から始まる公費を持っています。病名の所に「人工透析を必要とする」みたいな文言があって、私は省略してしまっているのですが、助成内容等の所の最後に※印で「マル長を提示すること」と書いてあるので、これ一枚だけ持っていっても使えません。

大西: マル長とセットで出してください、という事ですね。

横森さん: そうです、必ずセットです。ここは気をつけていただきたいです。それから、元々申請の時に身体障害者手帳がなければいけないとか、マル長がないとマル都を使えないとか、そういう話もあります。

大西: 順番としてはマル長を取ってからマル都を申請する流れですね。

横森さん: そうですね。必要な物として挙げられているので。その辺りもおそらく透析を開始する前の主治医の先生から、こういうものがありますよ、という事で案内を受けると思うので、その順番でやっていただくのが良いと思います。

恐らく病院の説明は膨大になると思います。保険証の事もさることながら、今後の療養の事とかいろいろな説明を受けているうちに、何がなんだか分からなくなってしまうこともあるかもしれません。

今回に関しては保険証、医療費という所だけに着目していますが、もし病院で聞きそびれたとか、私この公費の資格を持っているかしら、と思った時には、また主治医の先生に聞いてもらうと、これは行政の窓口に行ってくださいね、とか説明してもらえると思います。

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