透析のお金①腹膜透析・血液透析でも自己負担は3割?

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透析のお金①腹膜透析・血液透析でも自己負担は3割?

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透析のお金①腹膜透析・血液透析でも自己負担は3割?

[おうちで透析 インタビュー 透析のお金①]

  • 在宅医療特化型運営コンサルタント 社会福祉士 横森 美和 様

聞き手:

  • 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)

大西: 「透析のお金」をテーマに専門家の方にお話を伺います。本日は過去に在宅クリニック、透析クリニック等でずっとコンサルティングを続けてきた横森さんをお招きしました。横森さんは元々現場で医療事務もやっていらっしゃったんですね。

横森さん: そうなんです。在宅医療のクリニックで医療事務と、それからソーシャルワーカー、MSW(Medical Social Worker、医療ソーシャルワーカー)をしていました。

大西: なるほど。では、かなり現場バリバリという感じですね。

横森さん: そうですね、現場に寄っている、寄りすぎている部分があるかも知れないです。

大西: 今は主にどんな仕事をなさっているんですか?

横森さん: 今はレセプト点検ですとか、報酬の算定のお悩みにお答えするとか。あとは会員制のブログを行っています。

大西: お金のスペシャリストですね。

横森さん: これから話す透析の話も公費など難しいので、丁寧に話していきます。

大西: 今日お聞きしたいのは、透析になった時に患者さんはどれくらいお金が掛かるのか、それについて少し解説いただきたいなと思っております。まず、血液透析と腹膜透析、と、ありますが、患者様に掛かるお金は違うんですか?

横森さん: はい、実は血液透析であっても、腹膜透析であっても、全て透析に関する医療は公費が使えるので、ある程度お金は一緒という事になります。ただ訪問看護を利用すると、一部ちょっと腹膜透析の方が負担が増えてしまう部分があります。ただ、ご安心いただきたいのですが、今血液透析をされていて、在宅にしたら腹膜透析のお金は別に掛かってしまうのではないか、と心配があると思うのですが、そういう心配はなく、同じ透析ですので、透析の公費が使えるという事になります。

大西: 透析の公費とは、いわゆる自己負担を公費でまかなうことができるという事だと思うのですが、その辺をもう少し詳しくお話しいただいてもよろしいですか?

横森さん: 今日は前提として、その公費を使うのに必要なものを紹介していきます。まず一つ目は、皆さん国民皆保険でおなじみの「保険証」ですね。保険を受ける側なので被保険者証と言いますが、一般的には保険証と言っているので、ここでは保険証と言いましょう。

普段皆さんがお持ちのもので、国民健康保険の方は国保ですし、社会保険の方は社保。 また75歳以上、例外で65歳以上の人もいるのですが、後期高齢者の保険証というのもあります。これがあることがまず前提です。

二つ目、これが忘れがちかも知れないのですが、透析が必要な方は「身体障害者手帳」の申請ができます。これも必ず取得するようにしてください。取得は主治医や医療機関の相談員などから説明を受けて申請、取得という事になります。

これを取得すると、医療費以外にも様々な助成が受けられるようになるので、ぜひ忘れずに取得するようにしましょう。例えば税金の軽減ですとか、あとは雇用、障害者枠での就職など、様々な福祉サービスを受けることができますので、是非これも持っておいてください。

三つ目、透析を受ける際に、必ず一つ持って欲しいのが「マル長」と呼ばれるものです。 正式には「特定疾病療養受療証」。一般的には「マル長」と呼んでます。これは各保険者で手続きをすることになります。保険者と言うと難しいと思うのですが、保険証を見ていただいて、保険証の交付先のことを保険者と言います。例えば目黒区の国民健康保険を持っている方は目黒区が保険者となり、目黒区で申請することになります。

認定の疾病が人工腎臓を実施している「慢性腎不全」以外にもこのマル長を使えるものがありますので、今回透析を受けている方はこういった病名が入っているという事になります。 重要なのが真ん中下あたり。自己負担額の枠があります。1万円とか2万円と書いてあるのですが、ここが自己負担の限度という事になります。

つまり透析をしている方は1万円ないし、所得に応じて2万円の人もいますが、2万円が自己負担の限度という事になる、と言うことが書かれています。これを持っていないと普通の保険証の三割負担になるので、必ずこれを貰うという事になります。

大西: これは限度額の上限が1万円という事なので、例えば自己負担が3万円掛かったとしても1万円しか払わなくていいよ、という意味なんですね。

横森さん: はい、それがマル長ですね。

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