看護師から見た腹膜透析外来での患者の印象

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看護師から見た腹膜透析外来での患者の印象

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看護師から見た腹膜透析外来での患者の印象

[おうちで透析 インタビュー 終末期の透析医療⑤]

  • 柴垣 圭吾 医師(医療法人社団明洋会 理事長)
  • 樋口 千恵子 医師(医療法人社団明洋会)
  • 森田 智子 看護師(医療法人社団明洋会)

聞き手:

  • 大西 大輔 医療コンサルタント(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)

柴垣医師: ちょうどその頃に在宅、訪問診療を始めたのですが、在宅患者様は短期の入院ですら「入院は絶対に嫌だ」という方が非常に多い状況でした。とにかく入院は嫌だと。これは私の親もそうでした。私の親も入院は嫌がる方でしたので、「こんなに入院って嫌なのか」と、在宅診療を始めてから気づいたんです。

その時、これまで自分がなんとなく見送ってきた、そのまま長期の入院透析になってしまった患者様たちはどう感じていたのか、ということを考えるようになりました。自宅に帰って来られない患者様ですから、私は永遠の入院透析と言っていますが、そういった方がどんな思いで入院を決心されたのかと思うと、本当に気の毒な状態になっているのだと感じます。

全ての患者様が気の毒な状態ではないでしょうが、やはり家が大好きという方もいらっしゃるので、そういった方たちにとっては本当に重い事実なのだと感じます。そこが、通院血液透析の最大の問題なのかと認識するようになりました。

大西: それを回避するひとつの方法がPD(腹膜透析)ですね。

柴垣医師: そうですね。PDは、命を永らえるための入院透析以外の選択肢の一つとなります。「本当に入院が嫌だ」と言う方にとって、選択肢を提示できるというのは非常に大きな事だと考えています。

大西: 次に、森田さんにお聞きしたいのですが、PDをされている高齢な方を横で見ていて、森田さんどう感じていますか。私も客観的に両方の方を見ていて感じる事はあるのですが、HD(血液透析)の患者様とPD(腹膜透析)の患者様の違いはありますか。私は、PDの患者様は少し穏やかな明るい感じがしていますが。

森田看護師: PD外来など、大学病院で行っていたときもありましたが、いつも結構笑い声が絶えなくて、他のブースから「ちょっと静かにしてください」と言われるぐらい、本人と家族が笑っている印象があります。

高齢だけれども、決してその人たちはPDをやっている事や、透析になった事を悲観してはいないように感じました。PDをやりながらもその人らしい生活を送れる方法を本人も家族も努力して探していて、それ対して医療者もアドバイスをしています。

患者様が、思ってはいるのですが、親近者にはなかなか言えないようなことを、私たちが質問することで、口に出して言う機会を作ってみたりしていました。「家族は患者様に対して本当はこう思っているんだな」とか、「ご本人は家族に対してこう思っているんだな」とか、そういう思いを私たちが第三者となって聞いてあげることで、「毎日介護してもらってありがとう、やってくれてありがとう」というような思いを引き出すことができます。私たち(看護師)がいることで、直接は言えないことをわざわざ言う機会を作るような工夫は、PD外来の時行っていました。

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