透析のお金④訪問介護でかかる費用事情〜腹膜透析にかかる費用の例外〜

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透析のお金④訪問介護でかかる費用事情〜腹膜透析にかかる費用の例外〜

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透析のお金④訪問介護でかかる費用事情〜腹膜透析にかかる費用の例外〜

[おうちで透析 インタビュー 透析のお金④]

  • 在宅医療特化型運営コンサルタント 社会福祉士 横森 美和 様

聞き手:

  • 大西 大輔 医療コンサルタント(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)

横森さん: 最後に透析に関してですが、在宅で行う透析の費用に関しては例外があります。通院の場合は、おそらく皆さん一医療機関に通われて血液透析を受けていると思います。その場合、一医療機関からの請求の状態で完結します。

大西: そうですね、月曜日はA(クリニック)で水曜日はB(クリニック)などということはないですね。

横森さん: あまりないですよね。ですので、基本的にはAクリニックの請求で終わるはずです。ですが、在宅医療の場合、チームで行うものになるため、医療機関以外に、例えば訪問看護ステーションという別の会社に訪問看護をお願いするとか、そういった事も当然あります。そうすると、訪問看護ステーションは訪問看護の費用を請求することになります。医療機関とは別に請求が行われますので、その費用がかかるということがあります。

大西: 在宅のクリニックは訪問看護の分は別請求になってしまうかも知れないという意味ですか?

横森さん: そうです。例えば、病院で透析していて、その月に病院でマル長を使って請求があったとしましょう。東京都の補助があるので自己負担はゼロかも知れないですが、請求自体は病院でレセプトを上げる、請求をするという事なので一医療機関で上げます。その月、別のクリニックでも治療を受けた場合、そのクリニックはそのクリニックで請求を上げることになります。

このように、クリニックごと、医療機関ごと、訪問看護ステーションごと、事業所ごとに請求が上がっていくので、それぞれにお金がかかるということになります。

また、訪問看護ステーションに関しては、看護師がその方の自宅に行って看護をすることを訪問看護と言いますが、この訪問看護の利用に対しては使う保険が二種類存在します。一つは医療保険を使って行う訪問看護で、もう一つは介護保険を使って行う訪問看護です。同じ看護師が来てくれて看護をしてくれるので、サービス自体は同じなのですが、どちらの保険を使うかは年齢や病気など様々な条件によって決まっていきます。

大西: そうすると、例えば、医療保険を使えば三割負担のところいろいろな助成を使うと自己負担ゼロになるのだけど、介護保険はこの助成が使えないということなのでしょうか?

横森さん: 訪問看護の費用は、もし医療保険で行く場合にはさっきの話と同じです。医療保険を使うということは様々な公費が使えるので、医療機関と同じ上限ということになります。介護保険を使うということは、医療機関で医療保険で使えた公費を使えないこともあります。

これが難しいのが、例えば先ほど更生医療の話をしましたが、それも更生医療を届け出ているステーションなのか、届け出ていないステーションなのかによって使えたり使えなかったりします。ステーションごとに使える公費、使えない公費が異なってくるので、もし皆さんが訪問看護ステーションを利用する事になった時には、その訪問看護ステーションにお金のことを確認するというのが一番確実かと思います。

大西: なるほど、なかなかここは難しいですね。

横森さん: そうですね。訪問看護の費用は訪問看護ステーション自体がどういった届出をしているかによって異なり、説明も違ったりします。またステーションの機能によってかかる費用が変わってきたりすることもありますので、そこは少し難しいかなと思います。

大西: 補足で質問ですが、例えば医療機関が2つに分かれるケースもあると思います。例えば、血液透析はAクリニックで、在宅の方の透析はBクリニックで、などという場合です。この場合、両方とも医療だから公費とかのことはあまり気にしなくて良いのでしょうか?介護保険を使う時だけ要注意という考えで良いのでしょうか?

横森さん: そういうイメージで大丈夫だと思います。医療機関をいくつか使う場合、全部透析の場合(眼科とか耳鼻科ではない)ですが、透析の時には今お話しした公費が適用になってくるので、医療機関で同じような説明を受けられると思います。一部介護保険を使うとなった時だけ慎重に確認して、かかる費用の確認が必要になってくるということです。

大西: 今日は横森さんに来ていただきお話を伺いました。このシリーズはすごく勉強になりますので、2回目3回目と続けていきたいと思います。横森さん、またご協力のほどよろしくお願いいたします。

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