介護が必要になったら①介護が必要になったらどうすれば良いの

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介護が必要になったら①介護が必要になったらどうすれば良いの

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介護が必要になったら①介護が必要になったらどうすれば良いの

[おうちで透析 インタビュー 介護が必要になったらどうすれば良いの?①]

  • 在宅医療特化型運営コンサルタント 社会福祉士 横森 美和 様

聞き手:

  • 医療コンサルタント 大西 大輔(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)

大西: 今日は、介護について考えていきたいと思います。自分の親や家族が、もし介護が必要になった時はどうすればいいのでしょうか。今日も専門家である、横森さんに来てもらっています。横森さんは、元々在宅のクリニックで働いていた経験から、今もコンサルティングを続けていますが、介護についても詳しい方になります。

さっそくですが、自分の家族が介護が必要になった場合、どうすればよいのでしょうか?例えば私ならば介護に関する本を買ってきて「どうしたら良いのか」と考えると思います。

横森さん: まず、介護が必要になったら、ということですが、必要になりそう、というタイミングはどういう所で感じますか。

大西: わたしの親は70歳を超えていて、先日入院したんですよね。入院して無事退院できたのですが、今後の生活のために、家に手すりを付けたい、スロープ作りたいな、という考えが出たのが一つです。それと、ベッドを変えたいなと考えています。それから、週に一回でもいいから誰かサポート(お風呂に入れてくれるとか)してくれないか、ということを考えました。

親の状態は、それほどひどくないので、完全にサポートが必要なわけではありませんが、何か使える制度はないかなと思い、今日は相談に来ました。

横森さん: そうですね。私がよく受ける相談には、主に2つあるのかなと思います。例えば、今の大西さんのお父様のケースのようにちょっと体が自由に動かせなくなってきた、というケースです。もう一つは物忘れが最近ひどいという、いわゆる認知症のケースですね。

大西: 僕もひどいんですけど。どうしたらいいですかね。(笑)

横森さん: 物忘れがひどいと言う場合、普通の方の「もう歳だからさぁ、忘れちゃって」のような話と、本当にこの人は認知症ではないか、という場合があります。よく食べ物の話で例えられる先生がいらっしゃいます。私は医師ではないのでこの辺りはざっくりですが、例えば、昨日の夕飯、大西さんは何を食べました?

大西: あれ何食べたかな?あ、分かった、食べていません。

横森さん: ほら、食べてないことを覚えているじゃないですか。つまり、食べたか食べていないかを覚えているのは単なる忘れっぽい人です。食べたか食べてないかが分からないのが認知症なのだと医師はおっしゃいます。

大西: よく聞きますね。「俺お薬飲むからご飯食べなきゃ」と言うのですが、「さっきご飯食べてたよ、お薬も飲んだじゃない」「そうだっけ?」みたいな感じですね。

横森さん: そうですね。そこが病気のレベルなのか、うっかり物忘れのレベルかというのは、もちろん医師の診断などが必要にはなってくると思います。ただ、そうではなく、明らかに少し病的というか、最近物忘れがひどい、という話になった時に「じゃあどこに相談する?」という話になります。

もちろん、体が自由に動かないとか、物忘れがひどいといった時に、最初に相談してほしいのは医療機関になります。

大西: まずは自分がよく行く、かかりつけの先生に相談に行く、ということですね。でも、本人は「要介護を申請したくない」と言い出す時はありませんか。

横森さん: ありますね。

大西: どのように説得したら良いのでしょう。「俺は介護の方の世話にならない」というのは少し古い考え方ですよね。僕ら若い世代からすると「貰えるものは貰っておけばいいじゃないのかな」と思ったりします。

横森さん: おそらく昔の方は、介護保険が無い時代だったので、介護というと本当に国のお世話になるわけで、「措置」と言うイメージがあるのかもしれません。何かこう、保険料を自分が払っているイメージが無いのではないでしょうか。

大西: 昔は保険が無かったから払っていなかったわけですね。

横森さん: そうなんです。介護保険は2000年からできた制度なので、それより前はもう本当に国のお世話になる、というイメージだったのです。

大西: 公費とか保護という観点なのですね。

横森さん: そうですね、そういう対象だったものを、今はみんなでお金を出し合う保険で対応するものに切り替わっています。その辺りに関して、まだ昔ながらの人は、やっぱり国のお世話にはなりたくないと考えるのだと思います。

大西: プライドなのでしょうか。

そうすると、説明する時に「2000年から介護保険ができて、お父さんもお母さんもちゃんと介護保険を払っているから貰える権利はあるんだよ」とお伝えすれば良いでね。

横森さん: そうですね。年金から払ってくれていて、ありがとうね。僕らの将来のためにも払ってくれてありがとうね、くらいの感じでお伝えすると良いかもしれません。

大西: 介護保険料は結構多いですよね。私も毎月五千円ぐらい払っています。

横森さん: 自治体によってかなり上下しますが、だいぶ増えてきています。今後も介護保険の自己負担の割合は増えてきて、保険料の金額も増えてくるので、そういった意味では必要になったら必要な時に使う、ということが適切かと思います。これは医療と一緒ですね。

医療に関しても、例えば風邪を引いた場合、クリニックに掛かろうという人と、いや、医療機関ではなく薬で治そうという人がいるのと一緒です。なるべく医療機関に掛かった方が、風邪ではなかった場合の早期発見にもなりますので安全です。

そういう意味では介護保険ももう少し身近に考え、利用してもらっても良いと思います。

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