地域包括ケア 〜終末期の医療はお家で、在宅透析の柱【腹膜透析】〜

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地域包括ケア 〜終末期の医療はお家で、在宅透析の柱【腹膜透析】〜

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地域包括ケア 〜終末期の医療はお家で、在宅透析の柱【腹膜透析】〜

[対談]

  • 柴垣 圭吾 理事長(医療法人社団明洋会 柴垣医院)
  • 大西 大輔 医療コンサルタント(MICTコンサルティング株式会社 代表取締役)

大西:2021年6月に行われた「日本透析医学会」に先生も出席されていらっしゃいましたが、非常に在宅医療という言葉が多かったように感じられました。今まさに在宅医療が盛り上がりを見せていると感じましたが、それはなぜでしょうか?

柴垣:透析患者さんも高齢化してADL(Activities of Daily Living: 日常生活動作)が落ちてきており、通院が困難になる方が実際に増えてきています。そして、都市部では(急速に高齢化が進むため)今後倍増することが予想されています。地方でも実数は変わらないとしても、率は増えるのではないでしょうか。そのようなことから在宅対応というものが何らかの形で必要になってきており、その必要性は今後ますます高まってくるかと思います。

大西:在宅が身近になってきていることを感じますね。先生の世代、私の世代、その親の世代を考えると、私の父はもう80歳近いですし、先生のお父さんも亡くなられましたけど、やっぱり後半は在宅ということであったり、周囲で在宅医療にお世話になっている方が増えてきていますね。

柴垣:私は50代、大西さんもそんなに違わない年代だとすると、ちょうど親が介護を必要としていて、最期は地域包括ケアの仕組みの中で終末期を迎えるというようなことがたくさん起きていると思いますね。

大西:現在、開業医の平均年齢は約57歳です。そうすると、開業医の親が在宅医療にお世話になっていたり、介護が必要であったりという経験をされると、まあピンと来ますよね。だから絵に描いた餅がリアルに変わったのではないかと私は思っています。政府が地域包括ケアと言い出して10年以上経って、やっと実感がわいてきたのではないでしょうか。

柴垣:地域包括ケアという言葉は、実は皆さん全然ピンと来てないと思いますね。地域包括ケアというのは一言で言うと、今後の医療の中心は病院ではなく在宅で、今後の高齢者の終末期医療は病院ではなく家でやってください、という意味なのです。最近では、透析系の学会に厚労省の方が来て、あるいは透析医学会の幹部の方々が皆さん口にされるのは、地域包括ケアです。透析医療において、「透析医療×地域包括ケア」がテーマに上がる。これこそが在宅透析であり、高齢者の在宅透析というのは「腹膜透析」のことです。

確かに、最後まで血液透析を行いながら在宅医療を受けていく、これも在宅医療の一つではあります。しかしながら、間違いなく一つの大きな柱としては、在宅で腹膜透析を行っていくというのも国の考えの中にはあると思います。

大西:そうですね。今回の学会でこれだけ取り上げられたというのは、時代の流れでもあるし、厚労省もそう考えているわけです。(在宅透析)に取り組まなくてはいけない時期が来ているのでしょう。

柴垣:結局、この前行われた透析医学会で、「在宅」あるいは「地域包括ケア」が入っている演題が多いということは、時代に合わせて医療の在り方が知らない間に様変わりしているということが言えるかと思います。

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